【事業レポート】2/18 やさしいこころのケア講座 第2期(4)

日時:2月18日(土)

場所:とちぎユースワークカレッジ 2F教室

講師:楡木満生 (詳しくは、こちら)

参加者数:基礎編 9名  実践編 9名

【基礎編】 自分を知る、人を知る(2) 13:00~15:00
第 4回目となる今回は、前回に引き続き「自分を知る、人を知る」と題して、交流分析に基づく人とのかかわりについて学んでいきます。交流分析とは、エリッ ク・バーンにより創られた心理療法で、「I am OK. You are OK.」、「自分の運命は自分で決めることができる」などといった考え方に基づきます。

今回は交流分析の中でも、特に人生ゲームについて詳しく学びました。

人生ゲームとは、日常生活全般において見られる、絶えずくり返すパターンのことです。
当事者は、このパターンを繰り返すことでゲーム化し挑発して楽しんでいるのですが、その結末は後味の悪いものになる場合がほとんどです。
ゲームには多くの種類がありますが、そのほんの一部を紹介します。
 
 生活のゲーム(日常生活全般に見られる)
  ・キックミィ「私を蹴飛ばして(これでも私を許すの)」
 パーティーゲーム(雑談中にあらわれる)
  ・被害感「何故私がこんな目にあわなければいけないんだ」
 結婚のゲーム(親密さがテーマ)
  ・追い詰め「いつも言ってるじゃないか(何度も蒸し返す)」
 犯罪者のゲーム(男性の攻撃性)
  ・警官と泥棒(逃げるスリルを満喫)「どうやってここを抜け出すか考えよう」
 診察室のゲーム(医師やカウンセラーが陥りやすい)
  ・困窮「こんなに痛くて、苦しい」
                       
こういったゲームに対処するには、まずはゲームであると気づく事からはじまります。
 そして、演じている役割をおりるなど、対処していくことになります。

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また、最後には楡木先生のこれまでのストーリーについても、少しお話いただきました。
元々は高校教諭だった先生が、1人の不登校児への対応をきっかけに「こころの問題」に向き合うようになった事。その後心理学の道を志し、43歳でアメリカへ留学した事などなど。
先生は、43歳で人生のレールを切り換え、それからがイキイキとした自分の人生だと思えるのだと話してくれました。


次回は、3月3日(土)「事例に学ぶ(実習)」のテーマで、様々な事例を通して、これまでに学んだ内容を実践していきます。

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【実践編】 自分を知り、自分が変わると周りが変わる(認知行動療法) 15:30~17:30
今期の実践編のテーマは、「認知行動療法」です。この療法は、現在注目されている治療法の一つであり、うつ病などにも効果がある心理療法として、広く認識されています。
この療法の現在に至るまでの変遷を辿り、理論や実際行われているケースなどを学んでいきます。

第4回目となる今回のテーマは、「自分を知り、自分が変わると周りが変わる(認知行動療法)」。
認知行動療法は、あるひとりの人が考案し体系化した療法でなく、これまで学んできた行動療法、論理療法、認知療法などといった療法の集合体のようなものといえます。
クライアントの以下のような不適応行動について用います。
 ・行動的不適応(不登校、食欲不振など)
 ・情緒的不適応(不安、落ち込み、頭痛など)
 ・認知的不適応(偏見、自動思考など)


まずは、これまで学んだ行動療法の古典的条件付けやオペラント条件付け、認知療法、論理療法について簡単におさらいしました。
(内容については、これまでのレポートをご覧下さい)

では、実際にどのようにこの考え方を用いるのか。
参加者から事例を挙げてもらい、考えていきました。

例えばこんな事例(内容は一部変更しています)
○就職・退職をくり返し、自分に自信がもてなくなった方
 では、何故退職をくり返すのか?⇒上司に頭ごなしに怒られる ⇒ 自分はダメだ ⇒ 自信をなくす
 という認識があるようです。そこを丁寧に紐解きます。
 上司に頭ごなしに怒られる ⇒上司の指導が適切ではないのでは?
 というように、認知に新たな視点を伝えていきます。
 
 自らを責めるだけではなく、【相対的】に考えることが重要だそうです。 

「このケースに対しては、この手法というものは存在しない。
全てはケースバイケース。そのため、カウンセリングでは柔道の姿勢が大切。押してだめなら引く。引いてだめなら回り込む。というように色々な考え方や手法をもっていることで、よりよいサポートができるようになります。」という先生の言葉が印象的でした。

親と子の対立や職場の上司との関係など、複雑化してしまった関係については、当事者同士のみでの解決は難しいです。
そんな時、おじさんおばさんや地域の人、またはカウンセラーといった第三者の存在がとっても重要となります。
近すぎず、遠すぎず、客観的にモノゴトを見ることができる存在が、適切なアドバイスや状況の整理など、絡まった糸を解く手助けをしてくれると同時に、再び同じ状態に陥ることを防ぐことができます。

そんな人が社会に溢れたら、もっと暮らしやすい世の中になるのではと考えています。

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次回は、3月3日(土)「事例を学ぶ(実習)」を予定しています。


《受講者の声》
「とてもわかりやすく説明していただき、理解しやすかったです。(基礎編)」
「相談支援の仕事の中で、聴く大切さを改めて感じました。教えていくのではなく、本人に気付かせる支援が大切である事を、改めて感じました。(基礎編)」
「実生活に密接した考え方が多いことに気付きました。気付いたら考えて行動していきたいと思います。(基礎編)」
「今回は事例がたくさんあって、臨床の現場でどのように導いていくのか、さわりを体験することができました。(実践編)」
「本で読んだりしていたものが、1つにまとまって聞けたので、とても整理されました。(実践編)」

                                        など、他多数。

多くの方の受講ありがとうございました。


悩みや不安の多いこの現代、職場や家族・友人関係など、心理学に基づいた正しい知識を身に付け、人間関係に有効なスキルを学んでいきます。興味をもたれた方は是非お問い合わせください。(1回からのご参加も可能です)

みなさまのご参加をスタッフ一同お待ちしています。