[report]10/16 NPO職員のためにマネジメント力向上講座vol.1「1からわかるNPOマーケティング」

10月16日、とちぎボランティアNPOセンターで、NPOマーケティング研究所の代表長浜洋二氏をお迎えして、「NPO職員のためのマネジメント向上講座」の第1弾「1からわかるNPOマーケティング―誰に、何を、どれだけ届けるのか―」をテーマに、栃木県内の様々なNPO(任意団体含む)の職員12名にご参加頂き、開催しました。

 

講師の長浜さんは、アメリカでNPOマネジメントや公共政策に関わる公共経営学修士号を取得され、日本で導入される以前にアメリカのシンクタンクで個人情報の研究をしていました。帰国後日本でのプライバシー・個人情報保護に関する法規制や政策等の調査研究をはじめ、ファンドレイジングやロビイング推進戦略などのコンサルティングに取り組まれることに加えて、非営利セクターでの業務経験や国際協力NGOの理事を務めています。

 

長浜さんが主幹する「草莽塾」では、マーケティングの実践は、NPOの組織運営そのものであり、社会から求められる成果を出すために不可欠なものとして位置付け、NPOが社会を変えるためのマーケティング戦略を自らの力で策定・実施できるようになることを目的とし実施しています。多くのNPOリーダーや社会事業家が学んでいます。

 

 

 

研修の内容について、整理してみると、
NPOマーケティングとは、「サービス受益者や支援者を“顧客”と位置付け、その価値感や行動の変革に働きかける一連のNPO活動。“顧客”の満足度を高め、永続的な関係性を構築することを目的」としています。
現在、NPOを取りまく環境は、そもそもNPO法人数が増加による競争激化、企業参入による公共サービスの競争激化、NPOに対する支援生財源の減少、NPOに対する低い認知と信頼性、NPOに対する期待と厳しい実績評価、説得力あるコミュニケーションの必要性などがあります。
そうした環境の中、NPOは、誰かから必要とされる(=選ばれる)ことがなければ、そのNPOの存在理由や価値はなくなってしまいます。つまり、NPOは存在していることに価値があるのではなく、当たり前ですが、選ばれることでそのNPOの価値があるということです。NPOは他者からの選択の一つであるという認識に立つところから始まりました。

 

NPOマーケティングには、受益者(NtoB)マーケティングと、支援者(NtoS)マーケティングの2種類あることが特徴です。
前者は、サービスや製品、アドボカシ―など提供することにより対価を得るマーケティング活動で、後者は、寄付や会員、ボランティアなどの支援を獲得するためのマーケティング活動です。

 

この2つのマーケティングを実施していくにあたり、課題認識(経営リソースの課題発見・認識、課題解決に向けた事業・対策のアイデアだし)⇒現状分析(内部環境分析、外部環境分析、PEST分析)⇒ターゲット設定(セグメンテーション、ターゲティング、STP、RFM分析、LRFA分析)⇒施策立案(競合及び団体内施策とのポジショニング、価値、コスト、コミュ二ケーション、利便性、目標/施策(KPI)、)⇒施策実行/改善(PDCA)のプロセスを踏んでいきます。

 

研修では、それぞれのプロセスを実施できるように、ワークを交えながら、学んでいきました。アンケートからも、マーケティングという言葉のイメージから企業のモノというイメージやハードルが高いというイメージが、NPOにとって成果を出していくために必要なことという認識に変わっていきました。

 

印象深かったのは、“団体がやりたいことをやるのではなくて、社会に必要なことをしていることをする”ということ。そこからターゲットを絞り込んでいくセグメンテーションの思考と調査の重要性、また団体が、競合や社会の流れを読み解き、ベンチマーク(他団体比較をしながら自団体を見直し、経営方針を決定)すること、そして競合という言葉も、隣のNPOという狭義に意味だけでなく、市民の生活様式や行動なども競合として捉え、新たなに関わってもらう・選択してもらえるようにしかけていくことが大事だと実感しました。その行動に成果をより高めていく上でNPOマーケティングが必要なのだと理解しました。

つくづく、アンケートや情報発信というマーケティングの部分的かつテクニックだけでなく、ミッションやポジションニングなど内部でも基盤となる方針も創り込むことが大事なのだと思いました。

 

 

 

参加者のアンケートでは、今回も“全員が満足”と回答され、また全員が次回も参加する回答でした。
次回11月1日に、もう一度長浜さんにお越し頂き、“NPOマーケティングの現場で活かし方”を学んでいきます。現場で必要となる「NPOのマーケティング」を実務に使える研修にしていきます。

 

 今回参加できなかった方も、次回お越しいただけましたら嬉しいです。今回の資料は、次回の受付でお渡しさせていただきます。なお、団体内で複数申し込まれるとこの研修後、団体内での共有や話し合いに繋がり、より実務に活かされるものになります。 

改めまして、ご参加頂きました皆様、お忙しい中長丁場の講座でご講義頂きましたら長浜様、ありがとうございました。

 

■長浜洋二氏のNPOマーケティングに関するブログ  「飛耳長目:アメリカにみるNPO戦略のヒント」(http://blog.canpan.info/hijichomoku/)