発信!社会事業家インタビュー 一般社団法人青少年自立援助センター 理事長 榎本竹伸 氏

 

ユースインターン6期生の高橋秀哉の取材記事を掲載しています。
ご覧ください。
※ユースインターンシップ事業は、中古本を若者支援の寄付に変える「ホンdeチャレンジ」の受けて、実施しています。

 


“たちあがれ、日本の若者たち!” 

アジアにおいて中国に次ぐ経済大国、日本。いまや20代で起業する人も少なくない。中には学生で起業する人もいるほどだ。だがその一方で、若者の「仕事」や「教育」をめぐる大きな問題を抱えている。


「私は価値のある人間だと思わない」 62.7%

「私は将来に不安を感じている」 77.7%


これが今の高校生の現状である。ニートやフリーター、引きこもり、格差の拡大、機会の不均等・・・問題が山積している中、今回取材したとちぎ青少年自立援助センター理事長の榎本氏が焦点をあてたのは社会という波に振り落とされ戻りたいと思いつつも戻れないでいる人、頑張る理由をみつけられないでいる若者を社会に送り出す支援をすることだった。




“頑張れ!よりも、頑張り方と機会を”

 
榎本氏が代表を務める「とちぎ青少年自立援助センター」は、「共同生活」と「社会体験プログラム」を提供する「自立援助センター」の運営、若年無業者を対象とした通所型相談を行う「とちぎ県南若者サポートステーション」の運営、若者の居場所としての「杉並しゃべり場」、アウトリーチ事業(自発的に援助を求めてこない人に対するアプローチ)としての「調布センターたけのこ」の運営と多岐にわたる。
特に、「自立援助センター」では主に真岡市高勢町において共同生活寮で暮らす若者たちに自立・社会参加・就労に向けた様々な経験を積むプログラムを提供している。具体的には仕事の中身、大変さややりがいを知り、就労への第一歩ともなる「職業体験プログラム」や、社会で必要とされるスキル・マナーの講座、ほかにも研修旅行やバーベキューなどの交流プログラムを行っている。これまでの卒業生数は170人を越える。今でも定期的に集う居場所づくりを行い、関わり続けている。巣立っていった若者たちは、初めてセンターを訪れた時とは違って、きらきらした目をしている。若者への自立にむけたプログラム提供以外にも、保護者相談や家庭訪問支援など若者を支える活動は多岐にわたる。この4月からは本部・寮とも宇都宮市本岡本に移転する。今までも多くの卒業生を社会に送り出してきたがここからが本格始動である。
活動では、安易に“若者に頑張れ!”と言うだけではなく“なぜ頑張るのか?”“どう頑張るのか?”を共に考えていくことを大事にしている。その寄り添いも一度社会への復帰していく力になると信じている。しかしながら、社会の厳しさをきれいごと抜きでそのまま教えていくことに常に自信と不安の葛藤を抱えているが、彼らにワクワクとリアルな社会を見せるべく奮闘されている。



“厳しさのゆえん”

 
榎本さん自身、振り返ってみても、自分が若者だった時から若者や子供たちと関わり続けている。そもそもレクレーションリーダー育ちで、集団で取り組むことが好きだった。自身の経験から学校教育、家庭教育とは違う、地域社会で学んでいく社会教育に魅了された。一旦は地方行政職員として務めたが、より若者と直接関われる現場に出たいと23年勤めた仕事を辞め、若者支援の携わるようになった。それから現在、9年が経つが、依然として自立のために必要な、人との関わりを創りだす仕事の理想は、まだ先にあるという。若者の問題と一括りにされがちだが、若者の問題は、1人ひとり違う。彼らの人生に関わることの重さから、より適切な支援や関わりを追求し続けているが故の厳しさを持っている。


“報われない努力ほどむなしいものはない”

 

そんな榎本氏に目指す社会について伺ってみると、「努力した人が報われる社会になることを願う。社会が変わり、社会をそれぞれによくしようとする想いに溢れるのはいいことだと思う。中には、趣味がボランティアなんていう人もいるが、誰かのために動くことは、本来大変なことだ。ただでさえ自分の生計をたてるために働くことも決して楽なことではなく、つらいことの連続である。その大変さを知った上で、それでも誰かのために自分を顧みず熱い想いをもって働く人・活動する人が増えて欲しい」みんなで同時に変わる・変えていくのではなく、まずそれぞれ自分から先頭に立って変わっていってほしい。と語る榎本氏の眼光は鋭くこの社会のゆく末をみているようであった。





“失敗からも学べ、そして立て直す力を持って”

 
こらからを担う者たちへ、“思い描くことに良いイメージを持ちなさい。勇気をもって失敗を恐れずに挑むことが大事。失敗こそ学ぶことがたくさんある。その後反省を活かすようにすれば問題はない。そして苦労なくして物事は進まない。人は生きてく中でたくさんの壁にぶつかる。そこでいかに踏ん張れるかが試されているんです。”


とちぎ青少年自立援助センター

URLhttp://www.tochigi-ysc.org

栃木県真岡市高勢町2丁目209

Email:enomoto@tochigi-ysc.org

TEL:0285-81-5816

 

とちぎ県南若者サポートステーション

http://www.kennan-saposute.net

調布センターたけのこ


■編集後記

人生において誰もが通る“若者”という時代。そして少なからず悩みや葛藤を抱くこの時期。この過敏で何色にも染まりやすく、逆を言えば何にでもなれるこの時期の若者を支援されている榎本氏はどこか期待に満ちた目とそれをあずかる故の不安の目をされていたように思う。


取材日/2012.12.27、2013.1.16

取材者/高橋秀哉(ユースインターン6期生/白鴎大学法学部2年)