発信!社会事業家インタビュー はやき風株式会社 代表取締役 岩崎崇 氏

今回はさくら市にオフィスを構え、環境問題について考えながらシロアリ防除などの住宅事業やビオトープの庭デザイン・施工など環境事業を行うはやき風株式会社・代表取締役、岩崎崇氏にお話を伺った。

 

 

“自然のお医者さん”

 

 はやき風は、シロアリ・スズメバチ対策などの害虫防除事業、ビオトープの再生や水処理などの環境保全事業を行っている。従来の害虫の駆除は、薬剤散布が一般的だが、はやき風では、動植物の特徴を活かし自然の生態系をコントールすることで、自然環境を破壊する薬剤を減らした害虫駆除を可能にしている。“人と自然の共生、共豊”を大事する言わば“自然のお医者さん”だ。


 代表である岩崎氏の幼少期は、“家の前ではホタルが飛び、カブトムシやクワガタ、ミズカマキリなど虫と遊ぶのが大好きな少年だった。遊びながらも、虫も一生懸命生きていると感じていた。今では、家の前で、ホタルもカブトムシも見れなくなってしまい、自分の遊び育った“自然”に元気がなくなっているように感じている。もう一度本来の自然を取り戻していきたいと想いの源泉を知った。

 

 

 

 “先が見えなくても、がむしゃらに”

 

 はやき風を設立する前、県内最大の害虫駆除会社で働いていた。虫が大好きなのに、虫を駆除している葛藤や仕事への疑問があり、未来が見えなかった。思い切って20代の時、“ここで社長になって、自分が大事だと思うことを実現する”と奮起し、一生懸命働いた。36歳の時に社長になり、会社のあり方を変えようとしたが、前社長とぶつかった。自分もぶつかり苦しいながらも、社員のために頑張ろうと思ったが、会社にはもともとの創業者の思いがあって、変わっちゃいけない部分があることを知った。その変わっちゃいけない部分をも自分は変えようとしていた。考えぬいた結果、自分が社長をやってるということ自体がまずいと思い、会社を離れ、一歩踏み出し、今の「はやき風株式会社」を設立した。

 

 

 

“100%できる”の決断は、返って難しい。

 

 会社を離れ、自分自身の足で歩みだす決断の場面を聞くと“感覚的な決断でした。前の会社で仕事をしていて自分の居場所がないと想いが強かったですね”という。「決断力ってきっと大事なんですよね。ほんとにできると思わないと決断しない人っていっぱいいるじゃないですか。自分の決断はできると思わなくても結構決断しちゃうんですよ。それって大事だと思うんです。自分を勝手に信じて。決断しちゃうと後はもうやるしかないんです。ほんとに“100%できる”決断の方が返って難しいと思っています。単純に決断できるかだけの話なんだなって。」

 


“ふと見渡すと、街への寂しさと感謝”

 

 もともと地元や地域に興味はなかったし、むしろ好きじゃなかった”と岩崎さん。会社を辞めて街を見渡してみると、ものすごい寂しさを感じた。お年寄りしかいないし、人も元気がないし、近所の川も護岸工事されて、すごいつまんない環境になってるなって。同時に、自分はこの土地で生まれ育ってるし、ここでなんとかしなきゃいかんみたいな・・・そういう想いが出てきたんです。地元への感謝の気持ちと、それだけの愛着みたいなのがすごいあったからだと思う。これからも、生まれてくる子どもたちがずっと誇りに想い、いたくなる街を、作りたいなって思うようになりましたね。大人たちがその姿勢を見せていかなければ、どっか行っちゃうと思う。そういうことがないようにやってけたらなぁて思う。

 

 


“三方よし”

 

 はやき風の経営理念に‘三方よし’がある。ビジネスの基本は自分たちとお客のwin-winだが、“うちとお客様に加えて地域とか自然環境を大切にしようと始まってるからwin-win-winじゃないとダメなんです。まずは、お客と自分たちのwin-win。それから地域を重視し、三方のバランスを整える順番で考えている。利益が出てくれば、もっと地域に対してお金をかけられるわけです。お客さんの満足は大前提として。地域の人に愛される会社にしたい。サッカーでいうならサポーターがいる会社にしたいです。それがうちの中期的なビジョンです”と。

 このほかにも“三方よし”からボランティアに対しても思う事がある「ボランティアもいいけれど、お金をもらわないでいるという優越感に浸りすぎている。“お金が足りない”。“補助金ほしい”ではなく、自らお金を生み出す方法を考えないといけないと思うんです。ボランティアは“地域”と“自分”で活動している。そこに“お客さま”を作っていかないといけないと。」

 


”こどもたちへ、虫と遊ぶ景色を”

 

 おそらくゴールなんてないと語る岩崎氏に今後の展望を聞いてみた。「うちは“100年企業”でありたいと思います。自分がいなくなっても、地域に関わり続けていける会社でいたい。子どもたちに誇れる仕事をし続けること、そして子どもが家のすぐ近くでホタルやトンボと遊んでる景色を実現したいですね。」

 想いはあっても、これからの実現に向けての道で大事なのは、人です。「影響与えるというのは全部人で、すべて何やるにしても人だなって。企業もそうだし、街もそうだし、結局作り上げているのは人しかいないから。その人が輝いているっていうのが一番です。こういう三方良しっていうスタンスを持った人がたくさんいて、みんな輝きながら自分たちで色んなことを作り出したり、やりきる力がある人がたくさんいるっていうのがいい。そういところにずっと影響を与えたい。」、そう話す事務所には、今日も素敵な笑顔を振りまくスタッフ5名が元気に働いている。

 

 

 

若者へのメッセージ “がむしゃらに、動いて、やりきって”

 

 「やりきってほしいです。想いとかアイデアだけに留まらないで、それを自分で本気になってやると決めてやりきる。きっとそれしかないと思う。何やってもいいからそれをやってほしいです。そうすると何か見えてくるんです。自分も前の会社で、何がよかったって、きっと20代で何も考えてなかったけど、20代ガムシャラにやっていた。人に負けたくないって想いだけで。やっぱそれをやんなかったらきっと何も見えてないだろうし。いくらいいアイデア持っていてもやれなかったらそれで終わっちゃうし。とことん、若いときにガムシャラに何でもいいからやるっていうのは大事かなって思う。」

 

 

 


取材日/2013年3月

取材者/高橋秀哉(ユースインターン生・白鴎大学法学部)

はやき風株式会社

〒329-1411 栃木県さくら市鷲宿3661-221

TEL.028-666-8233 FAX.028-666-8255

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